みんなが知るフィレンツェで、テトが本当に息を呑んだ瞬間 ―(本文)
今回のイタリア旅、久しぶりに訪れるフィレンツェで2泊した後、レンタカーでエミリア・ロマーニャ州の魅力と、名勝チンクエ・テッレを巡る旅に出発しました。
行く先の町々で思いもしなかった出会いがあり、小さな街も魅力を湛え深い感興を味わえるのは、さすがイタリアです。
レンタカーでの旅には準備も必要。この辺はトラブル対応も含め別の記事、旅の知恵Tips&Triviaに譲ります。
Part1で巡るのはフィレンツェ2泊3日。世界的に有名な美術館や名所ばかりなので、ガイドブック的な説明はあえて省き、テトが心動かされた瞬間だけを写真とともに振り返ります。
【今回のルート】フィレンツェ(ウフィーツィ美術館→アカデミア美術館→ピッティ宮・ボーボリ庭園→ポンテ・ベッキオ→花の聖母教会・洗礼堂→ビステッカ・フィオレンティーナ)。
予約方法や空港からの移動など旅の実用情報は「旅の技術Tips&Trivia」(Part1)にまとめています。
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ウフィーツィ美術館
この美術館だけでフィレンツェに来る理由になる。世界最高の質を誇るコレクションは、お宝の詰まった宝石箱をのぞき込むよう。ボッティチェリとジョットの作品群は、まさに唯一無二です。
ジョット「玉座の聖母子」
1310年作。「様式化から実在描写へ」とルネッサンスの扉を開いた歴史的な一枚。金色の画面の中の聖母子は今にも笑って動き出しそう。昨日描かれたばかりのような生々しさに息を呑みました。
隣には師チマブーエの「荘厳の聖母」。こちらも名画ですが、やはり皆の足が止まるのはジョットの絵の前。観客のふるまいは正直です。



ボッティチェリ「プリマヴェーラ」
ボッティチェリ代表作で、教科書にも載る一枚。小さい頃、父の書斎の名画集で見た時は画面全体がくすんで見え、世界最高傑作とは思えませんでした。ところが1980年頃の修復で一変。皮肉にも絵を汚く見せていたワニスがオリジナルの画面を守っており、「光を取り戻した」と言われるほど鮮明な姿が甦ったのです。足元に咲く花々まで克明に描かれ、葉を踏みしめる音まで聞こえてきそうです。


ボッティチェリ「ビーナスの誕生」
ボッティチェリの最高傑作。テトにとって全絵画の頂点に立つ一枚です。1987年、修復終了直後に訪れた時の衝撃を今でも覚えています。保護ガラスもなく、昨日描き上がったばかりの生々しさ。空の水色が鮮やかで、ゼフィルスの息吹が体をかすめていくようにさえ感じました。
写実を極めたジョットに対し、ボッティチェリはデフォルメを恐れず、直感的なリアルさを追求。より普遍的な芸術性を感じます。

こんな名画の数々も撮影自由!ゼフィルスの息吹をアップで撮影し、記憶に焼き付けます。

ボッティチェリの「チェステッロの受胎告知」
1490年作。ジョットから150年以上を経て、宗教画にも劇的な動きが表現された名画。精緻ながらどこかキリコの絵のような冷たさも漂うのは、当時フィレンツェ市民の心を捉えたサヴォナローラの影響かもしれません。

レオナルド・ダ・ヴィンチ「受胎告知」
ダ・ヴィンチの最初の大作。彼らしい分析的で執拗なまでにリアルな表現が印象的です。

ラファエロ・サンティ「ヒワの聖母」
聖母の腕の中で、将来ふりかかる受難の象徴の鳥・ヒワを、聖ヨハネがイエスに渡す場面。
ラファエロらしい豊かさの中に、劇的な瞬間の緊張感が表現されています。

カラヴァッジョ「イサクの犠牲」
日本でも人気のカラヴァッジョ。彼らしい劇的な構図とタッチですが、フィレンツェ時代はまだ初期でアイデア先行気味。晩年の「魂の叫び」ほどの深みはまだ出ていないように感じます。

絵画だけじゃない、建物そのものが芸術品
絵の間に挟まる美術館の窓から見る景色も、一幅の絵のよう。

立ち止まって休むふとした空間も、芸術作品のようです。

古代彫像「ラオコーン像」を16世紀当時に蘇らせたバンディネッリ「ラオコーン」。
ウフィーツィは彫像も至る所に飾られています。

大広間では、彫像が役を演じているかのよう。

有名なビーナス像がある部屋「トリブーナ」。のぞき込むだけの人も多いですが、部屋そのものが芸術作品で見逃すのはもったいない。

床、天井、柱などの造形は見入るばかりです。

人々の行き交う廊下も、芸術作品であふれています。

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アカデミア美術館
ミケランジェロの彫像を集めたアカデミア美術館。まずは前菜として、彫像や絵画で目を慣らします。

アカデミア美術館は、結局このダビデ像に集約されます。ミケランジェロの最高傑作にして、フィレンツェの象徴。実際に足元に立つと、その質量と存在感に圧倒されました。
360度、好きな角度から心行くまで眺められるのも彫像ならでは。周囲を回るたびに、あらためてその完成度を感じます。


ダビデ像に圧倒された後は、数々の彫像も目に入らなくなってしまいそうです。

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ピッティ宮とボーボリ庭園
時間がなくメインのパラティーナ美術館見学は見送りましたが、他の美術館も見どころ満載です。
衣装博物館は、まるでランウェイのよう。

近代美術館にはナポレオンの姿も。

ボーボリ公園の入口前のカフェで、ワイン1杯と軽食休憩。芸術作品の洪水の合間に、目と体を休ませます。


ボーボリ公園は高台にあり、吹き抜ける風を受けながらゆったりと景色を楽しめました。




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ポンテ・ベッキオ
フィレンツェの象徴のひとつ、ポンテ・ベッキオ。朝に夕にと、まったく違う表情を見せてくれます。


橋の上は観光客で満杯!お土産を物色するのも、楽しいひとときです。



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花の聖母教会と洗礼堂
これもフィレンツェの象徴。淡い色合いながら、すべて天然の色大理石を組み合わせたその贅沢さは計り知れません。エジプトのピラミッドは予算面で現代では再現不可能と思いますが、ここにも同様の思いを持ちます。



洗礼堂
扉の彫刻についつい見入ってしまう洗礼堂。


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ホテルからの朝日も、思いがけない贈り物でした。

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ビステッカ・フィオレンティーナ
本場フィレンツェで一度は試したかったフィオレンティーナに挑戦。メニューには「最低1kgから」とありましたが、ウェイターの提案はまさかの「骨込み1.4kgからだがいいか?」。つい“Sì!”と。見せてくれた生肉の迫力といったら!!

焼き上がったステーキは、ほどよく脂が落ちてジューシー。塩胡椒だけで肉のうまみが口いっぱいに広がり、最後まで楽しめました。

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美術館めぐりから橋、教会、そして待望のビステッカまで、フィレンツェの2泊3日はまさに「知っているようで知らなかった」感動の連続でした。誰もが知る名画や名所も、実際に自分の目で見て初めて分かることがある。その中で自分の「お気に入り」を見つけることが旅のだいご味と言えよう。
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次回Part2は、エステ家の古都フェラーラから世界最古の共和国サンマリノへ。イタリア“通”のためのレンタカー旅が始まります。お楽しみに。

