10年以上も前ですが会社の50歳リフレッシュ休暇に一念発起してアフリカ南部の旅行を決行。カラハリ(南ア)、オカバンゴ、チョベ(ボツワナ)でサファリ、最後にビクトリアフォールズを回りました。「人生観が変わる」ことはなかったものの日本の日常とは全く違う世界が広がり想定外の発見があったのも確かです。今で印象に残っていることにフォーカスして書き記したいと思います。
Part1では赤茶けた大地が果てしなく続く、カラハリの世界最大級の自然保護区を訪れます。
カラハリ砂漠の公園
初めて訪れたカラハリ・トランスフロンティア公園。カラハリが砂漠らしい砂漠である南西部に南ア、ボツワナ両国にまたがって赤茶けた大地が続く世界最大級の自然保護区です。近郊の空港アッピントンで運転手兼ガイドと合流。3時間かかけて公園まで一本道を爆走!両側には干上がり塩で真っ白になった湖などが連なり乾燥度合いも爆上がり。カラハリ砂漠は雨もそれなりに降り砂漠の定義にあたらないという説もありますが訪れた10月末は乾期の終わりということもありこれ以上ないくらい干上がっていました。

公園入口手前まではヤギなどの家畜が見られますが公園敷地内に入ると早速イボイノシシやオグロヌー、派手な隈取りをしたオリックスなどの群れが出迎えます。ひらけたところに出るとスプリングボックの巨大な群れが!みんな兄弟ではないかと思うくらい同じ顔かたち!派手な色の鳥ミナミキバシコサイチョウなど異国情緒豊かで日本人としては地の果てに来たと実感します。しかししばらく滞在すると当地こそが世界の原初の姿で日本はその成れの果てと感覚が逆転したような気がします。



宿泊は広大な私有地に囲まれた「!Xaus Lodge」。「!」は現地の子音で日本人には発音できません。
カラハリでまずこの乾燥した極限の環境にあるリゾートに2泊。目の前には干上がった塩湖が広がり早速視界一杯に広がる夕陽に圧倒されます。部屋の建てつけは簡素なログハウスのようで簡素。水不足で昼間はシャワーが出ませんでした。



!Xaus Lodgeは食事もなかなか楽しめました。写真1枚目ディナーはそれなりにがっつり。2枚目ランチのチキンサラダ。これ一品でしたが十分満足です。


ゲームドライブ
ロッジの周辺はあまりに乾燥しすぎていて正直動物はあまり見られなかった印象ですが、写真を見返すとずいぶんいろいろな動物を見たように見えるのが不思議です。草食獣も含めて動物の密度は低いものの写真は充実。特に若い母ライオンがオリックスを掴まえ3頭の子供と共に食べる姿を2日に亘って観察できたことが大収穫。1回獲物を取ると長時間一ヶ所にいるので他の肉食獣に比べると観察する機会は多いということを初めて理解しました。間近で見るライオンの迫力は圧倒的!子供はメス2頭にオス1頭でしたがオスは子供とはいえりりしくまさに「王子」。百獣の王と言われる所以を実感できます。あまりのタイミングのよさにオリックスは連れてこられて与えられたのでは?と勘ぐってしまいました。
なかなか見ることのできないまっ黄色のケープコブラやコミカルな動きのケープアラゲジリスなども観察。
夜間のゲームドライブは何も見られませんでしたがロッジのゲートには3羽のメンフクロウが飛来。







サンセットドライブ
2日目の夕方、ロッジから提案されて2人だけのサンセットドライブ。案内されたのは果てしない荒野を見渡せる丘の上。ガイドが気を効かせて持ってきた白ワインでかなたに沈む夕陽を眺めながら乾杯します。南側から来るサンダーストームの強い風に吹かれながら目の前の大地を独占して傾けるワインは心に残るワンシーンでした。楽しむことに集中して乾杯の写真など眼中になし!そんなわけでそのワクワク感を見られる写真は無くただただ心の中に残るだけです。夕陽が沈むころには左に見える雷雲がみるみる増殖。帰り道はとどろく雷鳴と降りつける土砂降りの中のドライブも楽しみました。雨期始まりの時期、生命が命をつなぐ源にも触れられたと感じる一幕でした。



カラハリ砂漠トレッキング
なか日の昼間は近隣の荒野を徒歩で歩き、原住民のキャンプを訪ねるというトレッキングに参加しました。赤い大地を自分の足で踏みしめるとこの地と一体になるようです。
原住民のキャンプ。土産物を作っているところを見せて売り込む姿はけなげで何か買いたいと思うものの買いたいものが無いのが残念。住民はみな半裸でいかにもそれらしい姿ですが、聞くところによるとこの姿はこの職場の制服で?実はみな普通の恰好、たぶんTシャツ短パンの恰好で自分たちの家から出勤してこのように売り込んでいるという話もありました。昔の話なのでテトの妄想かもしれません。そうしたら皆さんすみません!





ウィンストン
宿で飼われていたキイロマングース、その名もウィンストン。レッドミーアキャットとも呼ばれますが愛くるしい雰囲気はなく表情も険しく見知らぬ訪問者には警戒のポーズを取ります。砂漠に溶け込むような地味な色。ですが10年以上たっても何か記憶に残る動物です。宿ではホロホロチョウも飼われ人の客室に勝手に入り込んだりしていました。洗面台で顔を洗う準備??



ミーアキャット
本当はカラハリで一番見たかったのは野生のミーアキャット。ゲームドライブで訪問したコロニーはすでに壊滅しておりミーアの姿は見られませんでした。アッピントンへの帰り道、ガイドが代わりに連れて行ってくれたのが途中のある民家。観光目的もあるのでしょうがここには野生のミーアキャットが日々訪れるのだそうです。この頃は若い雌が一匹手なずけられ出入りしていました。若くて本当にきれいな毛並み!野生動物は近くで見ても本当に美しいと実感した瞬間でした。テトはなぜか小動物には気に入られる体質。特有のシャーシャーというヘビのような音の鳴き声を立てながらも、ひとときこのかわいいミーアキャットとのふれあいを楽しめました。




人間に支えられる自然
強烈な日差しの中、大きな木の下にできる日影はスプリングボックの群れで溢れんばかり!一見野生動物が繁栄しているように見えますが、よく見るとあちらこちらに人の手による水場があり動物たちが集まっていました。ロッジの前の塩湖の縁にもあり、人の手を借りないと草食動物たちとはいえこんなに繁栄はできないと思います。
これが人間による環境破壊の結果と断ずる気はありませんが、少なくとも動物保護が観光事業と手を組みウィンウィンの関係を作っている姿になにがしかの希望を持てると感じます。




アッピントン空港Upington International Airport
カラハリから次の目的地への移動のためアッピントンから一回ヨハネスブルクに空路で戻ります。空港への道は灼熱の荒れ地を車で3時間。エアコンは効いていたとはいえ遠赤外線で日干しにされるような感覚で空港に入った頃にはのどがからから。待合ロビーの売店で買ったビールでのどを潤します。これがキンキンに冷えたすっきり系のビールで乾ききった体の芯まで染み入るよう、天国に舞い上がるようなおいしさ!生涯でも三指に入るビール体験でした。食において空腹は最高の調味料ですが、飲み物も同じですね。



ライオン
現地で生の自然に触れることで発見したこと多数。中でも沢山いる草食獣に対して肉食獣の少なさはとても印象に残りました。その中で比較的遭遇しやすいのがライオンです。猫科最大というのも実感しましたが、群れで生活するという猫科中唯一の特徴も見やすさに一役買っていると思いました。つまり群れで大型草食獣を捕獲。2日くらいは居座って食べ続けるため見学しやすいというわけです。野生で見るライオンは本当に高貴に見えます。一方間近に見るハイエナはいかにも卑賤という感じなのですが、客観的に見ればやっていることは全く同じ。それなのに外見でそのような差を感じさせてしまうというのは、自然界はやはり不公平にできているという事実を痛感させられました。



次回Part2は独特な景観のボツワナ、オカバンゴを訪問します。
